特定技能ビザ「航空業」とは

航空業では人材が不足しているために、外国から人材確保するために特定技能ビザ「航空業」というものが創設されました。もちろん、その他にも人材確保のために様々な取り組みをしています。

生産性向上の取り組み

業務の多能工化、空港での地上支援機器(GSE)の共有化、効率化のための先進技術の導入、新型航空機の投入による作業時間の削減などがあります。また、2025年までに空港の制限区域内でのレベル4自動運転の実現を目指して、車両や路側装置の技術検証と必要なインフラや運用ルールの検討が進められています。

国内人材の確保

賃金の改善、各種手当の拡充、公休日数の増加、育児休業制度の充実など、労働条件の改善に加えて、空港内での休憩スペースの確保など、職場環境の改善も進められています。国の支援事業を利用した空港ごとの合同就職説明会の開催や、工業高校生向けの施設見学、女性向けの講演会の実施なども行われています。将来の航空需要に対応するためには、航空整備士を目指す学生向けに無利子の奨学金制度も創設されました。

受入れの必要性

新型コロナウイルス感染症の水際対策終了後の訪日外国人旅行者の増加により、日本の航空需要は拡大しています。また、2030年に訪日外国人旅行者数6000万人を目標とする政府の目標達成に向けた国際線旅客の増加への対応も重要です。これを支える航空分野の人材確保が必要であり、2028年には44,900人の就業者が必要と見込まれています。

現在、航空業界では生産性の向上と国内人材の確保に向けた取り組みが進められており、採用者数は回復傾向にありますが、離職者数は横ばいで、特に整備士の高齢化による大量退職への対応が急務です。航空分野の人材不足は深刻であり、令和10年度には14,100人程度の人手不足が生じると見込まれています。

航空輸送は日本の経済社会活動や国民生活を支える基盤として非常に重要であり、航空分野で即戦力となる人材の確保は安全かつ安定的な輸送の保証に欠かせません。特に、訪日外国人旅行者の増加を含む航空需要の拡大に適切に対応するためには、航空業務における一定の専門性と技能を持つ外国人労働力の受け入れが不可欠です。これにより、航空分野の基盤を維持し、将来にわたってその発展を促進することが可能となります。

航空分野では、今後5年間で最大4,400人の外国人労働力を受け入れる計画があります。これは、1万4,100人の人手不足が予測される中、業務の多能工化などによる生産性の年1%の向上や労働条件の改善による国内人材の追加確保を考慮しても、まだ不足する人手を補うための措置です。これにより、航空業界は過大な受け入れを行うことなく、必要な人材を確保することができると考えられます。

また、航空業界の人材不足は全国の空港で発生しており、特に地方の空港での人手不足はさらに深刻化することが予想されます。これは、地方空港も含めた航空需要の増加が予測されるためであり、地方での航空サービスの提供能力を維持するためにも外国人労働力の受け入れが重要となります。

特定技能ビザ「航空業」の取得要件

特定技能ビザの必要要件は、技能試験+日本語試験又は技能実習2号を良好に終了したものになります。技能実習2号に関しては、取得した技能が、従事しようとする業務において関連性が認められている必要があります。

技能試験は 特定技能評価試験(航空分野:空港グランドハンドリングまたは航空機整備)」に合格したものになります。日本語試験は日本語能力試験N4以上又は国際交流基金日本語基礎テストA2以上の結果が必要になります。

特定技能1号評価試験

  • 空港グランドハンドリング試験
    • 技能水準:指導者の監督の下で航空機の誘導・けん引補助や貨物・手荷物の仕分け、積付けができる能力。
    • 実施内容:筆記と実技試験。日本語で行われ、公益社団法人日本航空技術協会が実施主体。
  • 航空機整備試験
    • 技能水準:基本的な整備技術を持ち、国家資格整備士の監督下で基礎的な整備作業ができる能力。
    • 実施内容:筆記と実技試験。日本語で行われ、公益社団法人日本航空技術協会が実施主体。

特定技能2号評価試験

  • 空港グランドハンドリング試験
    • 技能水準:高度な技能と現場での技能者指導経験を要する。上級技能労働者の能力認定。
    • 実施内容:筆記と実技試験。日本語で行われ、公益社団法人日本航空技術協会が実施主体。
  • 航空機整備試験または航空従事者技能証明
    • 技能水準:専門的な知識・技術と3年以上の実務経験を要する。専門的・技術的な整備業務を自立して実施できる能力。
    • 実施内容:公益社団法人日本航空技術協会または国土交通省航空局が実施。試験内容は筆記と実技(または実地)。

試験の適正実施について

試験実施時には、試験監督員による立ち会い、巡回、公的な身分証明書による本人確認など、替え玉受験等の不正を防止するための厳格な措置が講じられます。

国内試験の対象者

国内での試験実施の場合、在留資格を持つ者に限り受験資格が与えられます。

日本語能力水準と評価方法

  • 国際交流基金日本語基礎テスト
    • 基本的な日本語能力を測る。合格者は日常会話が可能で、生活に支障がないと認められる。
  • 日本語能力試験(N4以上)
    • 「基本的な日本語を理解できる」と認定されるレベル。日常会話が可能で、生活に支障がない能力を持つと評価される。

日本語能力の確保方法

  • コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式:国際交流基金が実施する日本語基礎テストでは、CBT方式を採用している。これにより、受験者は基本的な日本語能力を証明できる。
  • マークシート方式:日本語能力試験(N4以上)では、伝統的なマークシート方式を採用しており、基本的な日本語の理解度を測定する。

試験実施団体による不正防止措置

  • 替え玉受験等の防止:試験実施団体は、試験監督員の監視のもと、顔写真付きの公的身分証明書を用いた本人確認や試験問題の管理など、不正受験を防止するための措置を講じている。
  • 国際基準の遵守:特に国際交流基金が実施する日本語基礎テストでは、国外での大規模試験実施実績を基に、適正な試験実施が保証されている。

業務上必要な日本語能力水準の評価

  • 特定技能1号の試験に合格した者、または特定条件で試験が免除された者は、業務遂行に必要な基本的な日本語能力を有すると認められ、受入れ体制に適合していると評価される。

技能実習2号を良好修了者

  1. 空港グランドハンドリング職種に関連する第2号技能実習をうまく修了した人は、その訓練で得た技能が、1号特定技能外国人の業務で求められる技能と、航空機の地上での誘導やけん引の補助、荷物や手荷物の分類や適切な積み込み、さらには機内の清掃などの点で密接に関連していると認められます。このように、これらの技能実習を通じて習得した技能は、「地上走行支援業務」、「手荷物・貨物取扱業務」、「航空機内外の清掃整備業務」といった空港グランドハンドリング業務において必要とされる特定の専門性・技能を持ち、即戦力として活動できる十分な知識や経験があると判断され試験が免除されます。
  2. 職種や作業の種類に関わらず、第2号技能実習を良好に完了した人は、約3年間の日本での生活を通じて、日常会話が可能なレベルであり、生活に支障をきたさない程度の日本語能力を持つと評価されます。このため、日本語試験を免除されます。

試験申し込み

技能試験は下記の場所で申し込んで下さい
試験名:特定技能評価試験 (航空分野:空港グランドハンドリングまたは航空機整備)
 実 施:公益社団法人日本航空技術協会
 申 込:公益社団法人日本航空技術協会

日本語試験は下記の場所で申し込んで下さい。
国際交流基金日本語基礎テスト
  必要レベル:合格
  申込:日本語テスト申し込み

日本語能力試験
  必要レベル:N4以上
  申込:日本語能力試験申し込み

技能試験の内容

公益社団法人日本航空技術協会から学習用テキストを配布しています。以下からダウンロードして下さい。

航空機の基本技術(締結、電気計測)

作業安全・品質

航空機概要

勤務先の要件

ア 空港管理者により空港管理規則に基づく当該空港における営業の承認等を受けた事業者若しくは航空運送事業者又は航空法に基づき国土交通大臣の認定を受けた航空機整備等に係る事業場を有する事業者若しくは当該事業者から業務の委託を受ける事業者であること。

イ 特定技能所属機関は、国土交通省が設置する「航空分野特定技能協議会」(以下「協議会」という。)の構成員になること。

ウ 特定技能所属機関は、協議会に対し、必要な協力を行うこと。

エ 特定技能所属機関は、国土交通省又はその委託を受けた者が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと。

オ 特定技能所属機関は、登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の実施を委託するに当たっては、上記イ、ウ及びエの条件を満たす登録支援機関に委託すること。

カ 特定技能所属機関は、特定技能外国人からの求めに応じ、実務経験を証明する書面を交付すること。

従事できる業務内容

特定技能ビザ「航空業」で従事できることができる業務は「空港グランドハンドリング」と「航空機整備」と大きく分けて2つになっています。これらの業務に加え、当該業務に従事する日本人が通常することとなる関連業務の仕事をすることは問題ありません。ただし、この関連業務のみの仕事をすることはできません。

空港グランドハンドリング業務とは、航空機の駐機場への誘導や移動、手荷物・貨物の仕分け、ULDへの積付、取り降ろし・解体、手荷物・貨物の航空機への移送、撘降載、客室内清掃、遺失物等の検索、機用品補充や機体の清掃があたります。

航空機整備とは、空港に到着した航空機に対して次のフライトまでの間に行う整備、通常1年から1年半ごとに実施する、約1~2週間にわたり機体の隅々まで行う整備、航空機から取り下ろされた脚部や動翼、飛行・操縦に用いられる計器類など及びエンジンの整備があたります。

2号になるとさらに、 空港グランドハンドリング(社内資格 等を有する指導者やチームリーダー として、地上走行支援業務、手荷物・ 貨物取扱業務等に従事し、工程を管理)、 航空機整備(自らの判断により行う、 機体、装備品等の専門的・技術的な整 備業務等)などが行えます。

特定技能ビザ「航空業」申請に必要な書類

  • 在留資格認定証明書交付申請書(新規の場合)
  • 在留資格変更許可申請書(変更の場合)
  • 特定技能所属機関の概要書
  • 登記事項証明書(法人) / 住民票の写し(個人)
  • 役員の住民票の写し(法人の場合)
  • 決算文章(損益計算書及び貸借対照表)の写し
  • 労働保険に関する資料
  • 社会保険に関する資料
  • 納税に関する資料
  • 特定技能雇用契約書及び雇用条件書の写し
  • 特定技能雇用契約書に関する重要事項説明書
  • 特定技能外国人のの報酬額が日本人の報酬と同等以上であることの説明文書
  • 入国前に仲介業者等に支払った費用等を証明する文書
  • 技能試験に係る合格証明書/技能検定の実技試験合格証明書等
  • 日本語能力試験に係る合格証明書/技能検定の実技試験合格証明書等
  • 特定技能外国人の健康診断書
  • 支援計画書
  • 支援委託契約書(登録支援機関に委託する場合)
  • 支援担当者の履歴書、就任承諾書、支援業務に係る誓約書の写し

申請する際の注意点

上記はあくまでも最低限の提出書類になりますので、状況に応じて必要な書類を添付していきましょう。また、課税証明書などの日本で発行される証明書は、発行日から3ヶ月以内のものでなくてはなりません。提出書類の中に外国語のものは訳文を添付する必要があります。

ただし、英語の場合は訳文を添付する必要はありません。

また、試験に受かったからといって必ず取得できる在留資格ではありません。不許可になる可能性もあるので専門家に相談しましょう。

弊所に依頼するメリット

弊所は行政書士事務所になり申請取次の行政書士が在籍しております。依頼することで入国管理局への出頭が免除されます。

  • 忙しくて時間がない方
  • 本業に専念されたい方
  • 手続きがよく分からない方
  • 不許可になってしまった方

専門的な知識を持っている行政書士に依頼することにより許可を高確率で取ることが出来、書類作成などの時間を大幅に短縮することが出来ます。

弊所に依頼する流れ

  1. 問い合わせ・ご相談
    まず、お電話又はメールにて状況の相談(初回無料)をして下さい。
  2. 見積もり
    ホームページ上に案内しておりますが、詳しい状況をヒアリングし正式な見積もりを出させていだきます。
  3. 契約
    内容に納得頂けましたらご契約となります。
    見積書以上の請求金額になることはありません。
  4. ヒアリング
    契約後にもヒアリングを何度も行うことがあります。お客様にとっては煩わしい事かもしれませんが、懸念点を洗い出し一つずつ潰すことにより許可を取ることができます。決して嘘を言わないようお願いします。
  5. 必要書類の案内
    お客様のケースに合わせて必要書類の提案を致します。
  6. 書類の収集及び作成
    弊所で申請書や理由書の作成を行います。推薦状なども必要に応じて弊所で作成します。
  7. 署名の対応
    書類作成などが完成しましたら署名をお願い致します。
    郵送や来所頂き署名する際にパスポート及び在留カードの原本をお預かりします。
  8. 入国管理局へ申請
    弊所の行政書士が入国管理局へ申請します。
  9. 許可証の受け取り
    無事に在留資格の許可が降りましたら弊所にて受け取りに行きます。
  10. 業務完了
    以上により全ての業務が完了となります。