帰化申請の不許可理由

帰化申請が不許可になると、法務局より不許可通知書が届きます。不許可通知書には不許可の理由は書いておらず、また、担当官に問い合わせても不許可の理由は説明されません。

つまり、不許可になったら自分自身でなぜ不許可になったのか特定しなければリカバリも不可能ですので再申請をしても、また不許可になるという可能性があるのです。

よくある不許可理由をあげていますので自分が当てはまらないかの確認を行いましょう。

  1. 年金の納付をしていない
  2. 税金の納付をしていない
  3. 前科歴がある
  4. 交通違反をしている
  5. 資格外活動の許可を受けてバイトをしたが週28時間を超えてしまった
  6. 生計要件を満たしていないとみなされた
  7. 日本語能力が低い
  8. 追加資料の連絡がきたが対応しない
  9. 事実と申請書類に虚偽と思われるようなことがある
  10. 申請後の変更事由を担当官に報告しなかった

大まかに以上になりますがいずれかに該当しませんでしたしょうか?

1.年金を納付していない

サラリーマンであれば通常は給料から天引きされていますが、事業主など会社から天引きされないケースでは自分で払う必要があります。

また、年金には免除制度があり半分に免除してくれたり4分の1に免除してくれたりします。しかし、帰化申請においてはその免除分も過去に遡り支払う必要があります。なぜなら、「生計要件」を満たしていないとみなされるからです。

ちなみに、過去に遡り支払う期間は1年でいいです。

2.税金を納付していない

年金と同様にサラリーマンであれば給料から天引きされているでしょうが、それ以外の方が問題です。税金は年金より厳しく見られますので必ず納付している必要があります。

もし結婚をされている場合は家族の分も全て支払う必要があります。自分が払っていて配偶者は未納という場合も不許可になりますので。また、意外と盲点なのは配偶者が扶養に入っているケースです。103万円以上の収入があるのに扶養に入ったままの状態だと、通常納める税金より少ない税金を支払っているということになりますので修正申告をして本来納める税金を支払わなければなりません。

納税証明書の提出は絶対に必要ですのでウソついたらダメですよ!

3.前科歴がある

前科については罪の大小があるので一概に言えませんがどのような許可申請でも5年以上経つことを要件に入れてる法令が多いので一つの基準にしてはいかがでしょうか?しかし、小さな(罰金10万円程度)であれば3年程度でいいと聞くこともあります。

前科があるということは「素行要件」を満たさないという可能性もあるので不許可率は上がってしまいます。しかし、絶対に隠すようなことはしないようお願いします。

4.交通違反をしている

交通違反歴については過去5年分を提出することになります。1年に1回は許されると考えて、6回以上になると不許可率があがると考えておきましょう。

ただこの違反歴の内容も重要で、いわゆる赤切符は3の前科に該当しますので、しばらくは申請をしないほうがいいかもしれません。

5.資格外活動許可で28時間越え

素直に理由書などに記載をして法務局に説明します。また、法定内でバイトなどを行い期間が経って申請する必要があります。

6.生計要件を満たしていない

収入が低かったり安定しなていなかったりすると生計要件を満たしていないとされます。一緒に生活している人の収入を全部合わせることができますが、逆に扶養する人数が増えれば収入も高くなければいけません。

また、転職=ダメということはないですが審査期間中に転職をして収入が減り不許可になるというのもあるある話なのです。

7.日本語能力が低い

小学生3年生の日本語能力が必要ですが、帰化申請をしようとしている人でそこまで日本語能力が低い方はあまりいません

ただ会話はできるが書くことが苦手な人も多いのでドリルなど買って練習しておきましょう。

8.追加資料の対応をしない

担当官より追加資料を求められることがありますが、それを無視してしまっては不許可になります。書類不足のまま審査が進むので当然ですね。

9.事実と書類に相違がある

悪意を持って虚偽申請をするのはアウトですが、それでなくても事実と書類の相違が起きてしまう、そう担当官に取られてしまうということも起こりえます、そうなると担当官は不審に思いますでキッチリとした説明と書類作成が非常に重要になります。

10.申請後の変更事由を報告しない

転職や引っ越しなどすると法務局に報告する必要があります。申請内容と事実が異なることになるので必ず報告はしてください。

出国する場合も必ず連絡しておきましょう。

帰化申請の不許可率について

年度帰化申請数許可数
2019年10,457人8,453人
2020年8,673人9,079人
2021年9,562人8,167人
2022年9,023人7,059人

帰化申請者数と許可数を見れば高い水準で許可が下りていると思うかもしれません。しかし、これにはカラクリがあるのです。

まず1つは在留資格の申請とは違い、帰化申請は何度も法務局に行き書類の確認を行います。また、不許可になりそうな書類内容であれば指摘を受けることになるでしょう。

そして大きな要因は「不許可になりそうな場合は申請を取り下げるように言われる」という点です。帰化申請を行った後に担当官から連絡が入り帰化申請を取り下げませんか?と打診があります。「いいえ!審査お願いします!」と言ってもほぼほぼ不許可になるので素直に対応したほうがいいでしょう。

上のような理由があるために高い許可率で推移しているということです。

帰化申請で許可を得るためには

色々なページに書いていますが帰化申請というのは国籍法いう法律に定められており、その法律を理解しておかなければ箸にも棒にも引っ掛かりません。

第五条 法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。

 引き続き五年以上日本に住所を有すること。

 十八歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。

 素行が善良であること。

 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること。

 国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと。

 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。

上の要件を最低限満たす必要があります。

まとめ

今回は帰化申請がなぜ不許可になるのか具体的な例を挙げて説明しました。帰化申請は時間もかかりますし、申請書類も膨大になります。

これらを自分だけでするのは中々大変ですし、結果担当官から「取り下げしませんか?」と打診があったら最悪です。弊所は帰化申請のサポートをフルでしますのでまずは無料相談から弊所に問い合わせてみませんか?