特定技能ビザ「建設」とは
建設業分野では人材が不足しているために、外国から人材確保するために特定技能ビザ「建設」というものが創設されました。また、当然ながら外国人雇用のみならず様々な労働力確保のため取り組みが行われています。
【生産性の向上】
目標は、令和7年度までに建設現場の生産性を20%向上させることです。これを実現するために、ICTを用いた建設生産・管理システムの導入、建設キャリアアップシステムを利用した工事書類の簡素化、効率的な現場管理などの取り組みが進められています。また、これらの優良事例を広めることも重要な施策の一つです。
【国内労働力の確保】
国内労働力を確保するためには、公共工事の設計労務単価を引き上げる、賃金の向上を目指すなどの処遇改善が必要です。建設業の魅力を積極的に発信し、新たな労働力を引き込むこと、建設技能者に適正な賃金を保証する仕組みの構築、建設キャリアアップシステムの活用拡大による処遇のさらなる改善、女性の業界定着促進、適正な工期設定による長時間労働の是正なども進められています。
【労働力不足への対応】
令和5年度の建設投資見通しでは、民間投資を中心に年間2%の増加が予測されており、インフラのメンテナンスや防災・減災、国土強靭化などの推進が求められています。しかし、令和10年度には建設技能者が約310万人必要とされる中で、現在の建設技能者は286万人に減少する見込みで、約24万人の人手不足が予想されます。
この深刻な人手不足に対応するためには、専門性と技能を持つ外国人労働者の受け入れが不可欠です。次の5年間での外国人労働者の受け入れ見込み数は最大で8万人とされています。これは、ICTの活用などによる生産性向上や、処遇改善による国内人材の追加確保を踏まえた上での数値です。
以上の取り組みを通じて、建設分野の持続的な発展と、建設産業での人手不足解消を目指しています。
具体的な職務内容ですが、対象となる業務は18業種あります。
- 型枠施工
- 左官
- コンクリート圧送
- トンネル推進工
- 建設機械施工
- 土工
- 屋根ふき
- 電気通信
- 鉄筋施行
- 鉄筋継手
- 内装仕上げ、
- とび
- 建築大工
- 配管
- 建築板金
- 保温保冷
- 吹付ウレタン断熱
- 海洋土木工
これら18業種を製造していく仕事となります。
また、上記に当てはまる業務に従事する日本人が普段従事する関連業務に、外国人労働者が付随的に従事することが可能です。
特定技能ビザ「建設」の取得要件
特定技能ビザの必要要件は、技能試験+日本語試験又は技能実習2号を良好に終了したものになります。技能実習2号に関しては、取得した技能が、従事しようとする業務において関連性が認められている必要があります。
技能試験は 「建設分野特定技能評価試験」に合格したものになります。日本語試験は日本語能力試験N4以上又は国際交流基金日本語基礎テストA2以上又は介護日本語評価試験合格の結果が必要になります。
特定技能1号評価試験
- 技能水準: 図面の読解力、安全な作業実施のための技術、および安全理解力を評価。合格者は、即戦力として必要な知識と経験を有しているとみなされる。
- 評価方法:
- 言語: 日本語
- 実施主体: 国土交通大臣が登録した特定技能外国人受入事業実施法人
- 方法: コンピューターベースのテスト(CBT)
- 適正実施保証: 試験問題の管理、試験監督員の配置、本人確認、持ち物検査を通じて、不正防止措置が講じられる。
特定技能2号評価試験
- 技能水準: 建設現場で複数の建設技能者を指導し、工程を管理する班長としての実務経験を評価。上級技能労働者としての技術を有していることが認定される。
- 評価方法:
- 言語: 日本語
- 実施主体: 国土交通大臣が登録した特定技能外国人受入事業実施法人、都道府県
- 方法: コンピューターベースのテスト(CBT)、学科試験および実技試験
- 適正実施保証: 試験の実施において、不正防止のための措置が講じられる。
国内試験の対象者
国内で実施される評価試験は、在留資格を有する者に限り受験が可能である。
日本語能力の評価
- 基本的な日本語能力の評価: 国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験(N4以上)に合格した者は、日常会話が可能であり、生活に支障がない程度の日本語能力を有していると評価される。
- 評価方法:
- 実施主体: 独立行政法人国際交流基金および日本国際教育支援協会
- 方法: コンピューターベースのテスト(CBT)、マークシート方式
- 適正実施保証: 不正防止のための措置が講じられている。
技能実習2号の良好修了者の扱い
- 特定技能1号との技能の関連性: 技能実習2号で習得した技能は、特定技能1号外国人が必要とする業務で求められる技能と深く関連しています。この関連性に基づき、実習で習得した技能が即戦力となる専門性と技能を持つと評価され、必要な試験の免除が認められます。
- 日本語能力の評価: 技能実習2号を修了し、約3年間日本で生活した経験がある者は、日常会話が可能で生活に支障がない程度の日本語能力を有していると評価されます。この結果、特定技能1号に関連する日本語能力試験も免除されます。
技能試験の内容
(1)試験言語 日本語とする(必要に応じてルビを付す)。ただし、専門用語等については 他の言語を併記することができるものとする。
(2)実施主体 建設分野における特定技能外国人の適正かつ円滑な受入れを実現するための 取組を実施する法人であって、国土交通大臣の登録を受けた者(以下「登録法 人」という。)が実施する。
(3)実施方法 技能試験は、実技試験及び学科試験によって行う。学科試験はコンピュー タ・ベースド・テスティング(CBT)方式(注)により実施し、実技試験は 登録法人が定める方法により実施する。 (注)コンピュータを使用して出題、解答するもので、受験者は、コンピュー タの画面に表示される問題をもとに、画面上で解答する。
(4)実施回数及び実施時期 実施回数及び実施時期については、登録法人が国土交通省と調整の上、決定 する。
(5)実施場所 実施環境が整った国から順次実施する。また、必要に応じて国内においても 実施環境が整った都市から実施する。
(6)受験資格者 試験日当日において満17歳以上の外国人とし、原則として試験に合格した場 合に日本国内で就業する意思のある者とする。ただし、日本国内で試験を実施 する場合にあっては、在留資格を有する者を対象とし、退去強制令書の円滑な 執行に協力するとして法務大臣が告示で定める外国政府又は地域の権限ある機 関の発行した旅券を所持していない者を除く。 なお、令和2年1月30日付け出入国在留管理庁発出に係る「『特定技能』 に係る試験の方針について」によれば、試験に合格することができたとして も、そのことをもって「特定技能」の在留資格が付与されることを保証したも のではなく、試験合格者に係る在留資格認定証明書交付申請又は在留資格変更 申請がなされたとしても、必ずしも在留資格認定証明書の交付や在留資格変更 の許可を受けられるものではなく、また、在留資格認定証明書の交付を受けた としても、査証申請については、別途外務省による審査が行われ、必ずしも査 証の発給を受けられるものではないとのことであり、その旨を受験案内におい て周知することとする。
(7)試験実施時の注意事項 国外試験の実施に当たっては、現地の関連法令及び規則を遵守し、実施する ものとする。 試験日、試験会場、受験予約期間、受験料とその支払方法等、受験申込に必 要な事項のほか、受験日当日の必要書類等は、登録法人の試験専用ホームペー ジに掲載することとし、受験申込は当該ホームページから受験予約を行う。 なお、受験申込や受験日当日の必要書類の準備等については、受験者の雇用 予定企業又は受験者の所属する教育機関等ができる限りの支援を行うよう努め る。
(8)合否の通知方法 試験終了後2週間以内を目途に、合格者に対して、当該ホームページ上の専 用ページにおいて、結果通知書(氏名、生年月日、性別、国籍、顔写真、受験 日、受験地、結果通知の発行者、試験名等の基本情報を含む。)を通知する。 なお、結果通知書は本人以外には閲覧できないようにするなど、個人情報の取 扱いには十分に注意する。 また、合格者に対しては、偽造防止のための措置を講じた上で、登録法人が 合格証明書を作成し、通知するものとする。
国土交通省:建設分野特定技能評価試験実施要領
勤務先の主な要件
建設業では、従事することとなる工事によって建設技能者の就労場所が変わる
ため現場ごとの就労管理が必要となることや、季節や工事受注状況による仕事の
繁閑で報酬が変動するという実態もあり、特に外国人に対しては適正な就労環境
確保への配慮が必要であることから、以下のとおりとする。
① 特定技能所属機関は、建設業法(昭和 24 年法律第 100 号)第3条の許可を受
けていること。
② 特定技能所属機関は、国内人材確保の取組を行っていること。
③ 特定技能所属機関は、1号特定技能外国人に対し、同等の技能を有する日本
人が従事する場合と同等以上の報酬額を安定的に支払い、技能習熟に応じて昇
給を行う契約を締結していること。
④ 特定技能所属機関は、1号特定技能外国人に対し、雇用契約を締結するまで
の間に、当該契約に係る重要事項について、当該外国人が十分に理解すること
ができる言語で書面を交付して説明すること。
⑤ 特定技能所属機関は、当該機関及び受け入れる特定技能外国人を建設キャリ
アアップシステムに登録すること。
⑥ 特定技能所属機関は、外国人の受入れに関するア①の団体(当該団体を構成
する建設業者団体を含む。)に所属すること。
⑦ 特定技能1号の在留資格で受け入れる外国人の数が、特定技能所属機関の常
勤の職員(外国人技能実習生、1号特定技能外国人を除く。)の総数を超えな
いこと。
⑧ 特定技能所属機関は、国土交通省の定めるところに従い、1号特定技能外国
人に対する報酬予定額、安全及び技能の習得計画等を明記した「建設特定技能
受入計画」の認定を受けること。
⑨ 特定技能所属機関は、国土交通省又は国土交通省が委託する機関により、⑧
において認定を受けた計画を適正に履行していることの確認を受けること。
⑩ ⑨のほか、特定技能所属機関は、国土交通省が行う調査又は指導に対し、必
要な協力を行うこと。
⑪ 特定技能所属機関は、特定技能外国人からの求めに応じ、実務経験を証明す
る書面を交付すること。
⑫ そのほか、建設分野での特定技能外国人の適正かつ円滑な受入れに必要な事
項
・協議会への加入
特定技能ビザの外国人を雇用する企業は、それぞれの分野ごとに設置された協議会へ加入する必要があります。
協議会加入のタイミングは特定技能ビザの外国人を雇用した日から4ヶ月以内に加入することが義務となってます。
なお、協議会へ加入することで発生する費用はありません。
・日本人と同等程度の報酬
職場で同じ作業に従事している日本人と同等以上の報酬を支払わなければなりません。
雇用後も日本人の給与明細などを提出する必要がありますので、安く雇用することはできません。
・外国人受入れに支障のない経営状態
特定技能ビザの外国人を雇用するためには,受入れ企業がある程度良好な経営状況であることが求められます。
この要件は就労系ビザを取る場合にはどれにもついてまわります。会社が倒産してしまっては外国人の立場がなくなるので当然ですね。
・法令遵守
過去5年以内に出入国、労働、社会保険及び租税に関する法令についての違反がある場合は特定技能ビザの外国人受入れをすることができません。
・1年以内の離職者・行方不明者なし
行方不明者等を発生させた場合は、特定技能ビザの外国人受入れをすることができません。
※会社に帰責性のない行方不明は該当しません。
・特定技能ビザの外国人を支援することができる体制
中長期のビザをもつ外国人の受入れ、または管理を適正に行った実績があり、特定技能ビザの外国人が十分理解できる言語での支援体制があることが求められています。
自社で出来ない場合は登録支援機関へ委託することもできます。
建設業許可の取得
建設業許可を取らなければなりません。建設業許可を取るには一定の要件がありますので行政書士へ依頼しましょう。
建設キャリアアップへの登録
建設業振興基金が運営するキャリアアップシステムに登録が必要です。現場ごとに外国人の在留資格や社会保険加入状況など確認が穴太となり、不法就労を防止する役割があります。
従事できる業務内容
以下の業務を行います。なお、彼らが主に行う業務に加えて、日本人労働者が通常行う作業準備、物資の運搬、作業後の片付けなどの関連業務にも参加することが許されています。
1号特定技能外国人が担当する業務
1号特定技能外国人は、特定の評価試験に合格するか、または技能実習2号を修了して習得した技能を活用します。彼らが担当する主な業務は、建設現場での専門的な作業です。これには、図面の読解から安全な作業方法の適用までが含まれます。
2号特定技能外国人が担当する業務
2号特定技能外国人は、さらに高度な技能を持ち、特定の評価試験に合格した上で、実務経験をもとにした専門的な業務を担います。彼らは、建設現場での複数の労働者の指導や作業の管理、工程の管理などを行います。
特定技能ビザ「建設」申請に必要な書類
- 在留資格認定証明書交付申請書(新規の場合)
- 在留資格変更許可申請書(変更の場合)
- 特定技能所属機関の概要書
- 登記事項証明書(法人) / 住民票の写し(個人)
- 役員の住民票の写し(法人の場合)
- 決算文章(損益計算書及び貸借対照表)の写し
- 労働保険に関する資料
- 社会保険に関する資料
- 納税に関する資料
- 特定技能雇用契約書及び雇用条件書の写し
- 特定技能雇用契約書に関する重要事項説明書
- 特定技能外国人のの報酬額が日本人の報酬と同等以上であることの説明文書
- 入国前に仲介業者等に支払った費用等を証明する文書
- 技能試験に係る合格証明書/技能検定の実技試験合格証明書等
- 日本語能力試験に係る合格証明書/技能検定の実技試験合格証明書等
- 特定技能外国人の健康診断書
- 支援計画書
- 支援委託契約書(登録支援機関に委託する場合)
- 支援担当者の履歴書、就任承諾書、支援業務に係る誓約書の写し
申請する際の注意点
上記はあくまでも最低限の提出書類になりますので、状況に応じて必要な書類を添付していきましょう。また、課税証明書などの日本で発行される証明書は、発行日から3ヶ月以内のものでなくてはなりません。提出書類の中に外国語のものは訳文を添付する必要があります。
ただし、英語の場合は訳文を添付する必要はありません。
また、試験に受かったからといって必ず取得できる在留資格ではありません。不許可になる可能性もあるので専門家に相談しましょう。
弊所に依頼するメリット
弊所は行政書士事務所になり申請取次の行政書士が在籍しております。依頼することで入国管理局への出頭が免除されます。
- 忙しくて時間がない方
- 本業に専念されたい方
- 手続きがよく分からない方
- 不許可になってしまった方
専門的な知識を持っている行政書士に依頼することにより許可を高確率で取ることが出来、書類作成などの時間を大幅に短縮することが出来ます。
弊所に依頼する流れ
- 問い合わせ・ご相談
まず、お電話又はメールにて状況の相談(初回無料)をして下さい。 - 見積もり
ホームページ上に案内しておりますが、詳しい状況をヒアリングし正式な見積もりを出させていだきます。 - 契約
内容に納得頂けましたらご契約となります。
見積書以上の請求金額になることはありません。 - ヒアリング
契約後にもヒアリングを何度も行うことがあります。お客様にとっては煩わしい事かもしれませんが、懸念点を洗い出し一つずつ潰すことにより許可を取ることができます。決して嘘を言わないようお願いします。 - 必要書類の案内
お客様のケースに合わせて必要書類の提案を致します。 - 書類の収集及び作成
弊所で申請書や理由書の作成を行います。推薦状なども必要に応じて弊所で作成します。 - 署名の対応
書類作成などが完成しましたら署名をお願い致します。
郵送や来所頂き署名する際にパスポート及び在留カードの原本をお預かりします。 - 入国管理局へ申請
弊所の行政書士が入国管理局へ申請します。 - 許可証の受け取り
無事に在留資格の許可が降りましたら弊所にて受け取りに行きます。 - 業務完了
以上により全ての業務が完了となります。