特定技能ビザ「漁業分野」とは

漁業業分野では人材が不足しているために、外国から人材確保するために特定技能ビザ「漁業分野」というものが創設されました。 また、大きく「漁業」「養殖業」として分けることができます。

当然ながら特定技能以外にも人材確保のため様々な取り組みをしているようです。

  • 生産性向上: ICTを活用した効率化を推進しています。これには、沿岸漁業での漁場探索や沖合・遠洋漁業での漁場形成予測、かつお一本釣り機の開発、養殖業での自動給餌システム利用、水中ドローンによる養殖場管理の可視化などが含まれます。農林水産省はこれらの取組に補助事業を通じて支援を提供し、労働効率の向上を促しています。
  • 国内人材確保: 補助事業を通じて漁業就業相談会、長期研修、インターンシップ、就業後の経営・技術向上支援、漁業学校生への就業準備資金交付、水産高校卒業生への海技士養成支援などを実施。これらの取り組みにより、毎年約2,000人の新規就業者を確保しています。

受入れの必要性

  • 生産目標: 「水産基本計画」に基づき、令和14年度の魚介類生産目標を535万トンと設定。この目標達成には令和10年度に17万人の就業者が必要です。
  • 人手不足の現状: 漁船員の有効求人倍率は5.55倍、水産養殖作業員は2.40倍と高く、人材確保が困難な状況にあります。現在の就業者数は12万6,000人で、高齢化による離職を考慮すると、令和10年度には10万9,000人に減少し、6万1,000人の人手不足が生じる見込みです。

受入れ見込数

  • 受入れ計画: 令和6年度からの5年間で最大1万7,000人の外国人を受け入れる計画です。これは、ICTの利用などによる生産性向上(5年間で3万6,000人分)や新規就業者の確保(5年間で8,000人分)を踏まえても、依然として不足する人手を補うための措置です。

このように、漁業分野ではICTの活用による生産性の向上と国内人材の確保に向けた取り組みを進めていますが、それでもなお深刻な人手不足が予想されるため、一定の専門性・技能を持つ外国人の受け入れが必要とされています。

特定技能ビザ「漁業分野」の取得要件

特定技能ビザの必要要件は、技能試験+日本語試験又は技能実習2号を良好に終了したものになります。技能実習2号に関しては、取得した技能が、従事しようとする業務において関連性が認められている必要があります。

技能試験は 「漁業技能測定試験」に合格したものになります。日本語試験は日本語能力試験N4以上又は国際交流基金日本語基礎テストA2以上又は介護日本語評価試験合格の結果が必要になります。

1号漁業技能測定試験

  • 対象分野: 漁業全般と養殖業
  • 能力: 監督者の指示に従い、または自らの判断で、漁具の製作・補修、漁獲物の処理、安全衛生の確保などを行う能力の測定。
  • 評価方法: 日本語で行われる学科試験と実技試験(真偽式、多肢選択式、写真やイラストを用いる)。CBT方式も可。

2号漁業技能測定試験

  • 対象分野: 漁業と養殖業
  • 能力: 上級技能労働者として必要な技能を有し、実務経験2年以上で作業工程を管理する能力の測定。
  • 評価方法: 日本語で行われる学科試験と実技試験。CBT方式も可。

日本語能力試験

  • N3以上: 「日常的な場面で使われる日本語をある程度理解する」能力の測定。作業指示の理解や適切な指示が可能であることを証明。
  • 評価方法: マークシート方式。

試験の実施保証

  • 実施主体: 農林水産省が選定した民間事業者(漁業技能測定試験)と、独立行政法人国際交流基金及び日本国際教育支援協会(日本語能力試験)。
  • 適正実施: 替え玉受験などの不正を防止する措置が取られ、試験の公平性が保証される。

国内試験の対象者

  • 在留資格を有する者に限り、漁業技能測定試験及び日本語能力試験の受験資格が与えられる。

日本語能力の業務上の要件

  • 指定された日本語能力試験を免除された者も含め、必要な日本語能力水準を満たすものとして業務遂行能力が認められる。

技能実習2号修了者の評価

漁業分野の1号特定技能外国人の技能要件

  1. 漁船漁業における技能
    • 対象技能実習: かつお一本釣り漁業、延縄漁業、いか釣り漁業、まき網漁業など9つの作業
    • 評価基準: 魚群の探索、適切な漁具や漁労機械の選択、水産動植物の採捕、鮮度保持に関わる技能が、1号特定技能外国人の業務要件に合致。これらの作業に関連する専門性・技能を有し、即戦力となる程度の知識や経験を持つこと。
    • 試験免除: 上記技能を有すると評価される場合、1号特定技能外国人としての試験が免除される。
  2. 養殖業における技能
    • 対象技能実習: ほたてがい・まがき養殖作業
    • 評価基準: 適切な養殖資材の選択、水産動植物の養殖、収獲(穫)などの技能が、1号特定技能外国人の業務要件に合致。養殖業の作業に必要な専門性・技能を有し、即戦力となる知識や経験を持つこと。
    • 試験免除: 上記技能を有すると評価される場合、1号特定技能外国人としての試験が免除される。

日本語能力の評価

  • 全技能実習2号修了者: 技能実習2号を良好に修了し、3年間日本での生活経験がある場合、日常会話が可能で生活に支障がないレベルの日本語能力があると評価され、特定技能1号の日本語能力試験が免除される。

試験申し込み

技能試験は下記の場所で申し込んで下さい
試験名:漁業技能測定試験
 実 施:大日本水産会
 申 込:大日本水産会

日本語試験は下記の場所で申し込んで下さい。
国際交流基金日本語基礎テスト
  必要レベル:合格
  申込:日本語テスト申し込み

日本語能力試験
  必要レベル:N4以上
  申込:日本語能力試験申し込み

技能試験の内容

①漁業

学科試験:漁業全般及び安全衛生に係る知識及び業務上必要となる日本語能力を測定する。なお、試験は原則として真偽式とする。

実技試験:図やイラスト等から漁具・漁労設備の適切な取扱いや漁獲物の選別に係る技能を判断する試験により業務上必要となる実務能力を測定する。なお、試験は原則として、多肢選択式とする。

②養殖業

学科試験:養殖業全般及び安全衛生に係る知識及び業務上必要となる日本語能力を測定する。なお、試験は原則として真偽式とする。

実技試験:図やイラスト等から養殖水産動植物の育成管理や養殖生産物の適切な取扱いに係る技能を判断する試験により、業務上必要となる実務能力を測定する。なお、試験は原則として、多肢選択式とする。

大日本水産会

勤務先の主な要件

・協議会への加入

特定技能ビザの外国人を雇用する企業は、それぞれの分野ごとに設置された協議会へ加入する必要があります。
協議会加入のタイミングは特定技能ビザの外国人を雇用した日から4ヶ月以内に加入することが義務となってます。
なお、協議会へ加入することで発生する費用はありません。

・日本人と同等程度の報酬

職場で同じ作業に従事している日本人と同等以上の報酬を支払わなければなりません。
雇用後も日本人の給与明細などを提出する必要がありますので、安く雇用することはできません。

・外国人受入れに支障のない経営状態

特定技能ビザの外国人を雇用するためには,受入れ企業がある程度良好な経営状況であることが求められます。
この要件は就労系ビザを取る場合にはどれにもついてまわります。会社が倒産してしまっては外国人の立場がなくなるので当然ですね。

・法令遵守

過去5年以内に出入国、労働、社会保険及び租税に関する法令についての違反がある場合は特定技能ビザの外国人受入れをすることができません。

・1年以内の離職者・行方不明者なし

行方不明者等を発生させた場合は、特定技能ビザの外国人受入れをすることができません。
※会社に帰責性のない行方不明は該当しません。

・特定技能ビザの外国人を支援することができる体制

中長期のビザをもつ外国人の受入れ、または管理を適正に行った実績があり、特定技能ビザの外国人が十分理解できる言語での支援体制があることが求められています。
自社で出来ない場合は登録支援機関へ委託することもできます。

建設キャリアアップへの登録

建設業振興基金が運営するキャリアアップシステムに登録が必要です。現場ごとに外国人の在留資格や社会保険加入状況など確認が穴太となり、不法就労を防止する役割があります。

従事できる業務内容

具体的は業務は下記のようなものです。

漁業

  • 漁具・漁労機械の点検・換装
  • 船体の補修・清掃
  • 魚倉、漁具保管庫、番屋の清掃
  • 漁船への餌、氷、燃油、食材、日用品その他の操業・生活資材の仕込・積込み
  • 出漁に係る炊事・賄い
  • 採捕した水産動植物の生簀における畜養その他付随的な養殖
  • 自家生産物の運搬・陳列・販売
  • 自家生産物または当該生産に伴う副産物を原料または材料の一部として使用する製造・加工および当該製造物・加工物の運搬・陳列・販売
  • 魚市場・陸揚港での漁獲物の選別・仕分け
  • 体験型漁業の際に乗客が行う水産動植物の採捕の補助
  • 社内外における研修等

養殖業

  • 漁具・漁労機械の点検・換装
  • 船体の補修・清掃
  • 魚倉、漁具保管庫・番屋の清掃
  • 漁船への餌、氷、燃油、食材、日用品その他の操業・生活資材の仕込・積込み
  • 養殖用の機械・設備・器工具等の清掃・消毒・管理・保守
  • 鳥獣に対する駆除、追払、防護ネット・テグス張り等の養殖場における食害防止
  • 養殖水産動植物の餌となる水産動植物や養殖用稚魚の採捕その他付随的な漁業
  • 自家生産物の運搬・陳列・販売
  • 自家生産物または当該生産に伴う副産物を原料または材料の一部として使用する製造・加工および当該製造物・加工物の運搬・陳列・販売
  • 魚市場・陸揚港での漁獲物の選別・仕分け
  • 体験型漁業の際に乗客が行う水産動植物の採捕の補助
  • 社内外における研修 等

特定技能ビザ「建設」申請に必要な書類

  • 在留資格認定証明書交付申請書(新規の場合)
  • 在留資格変更許可申請書(変更の場合)
  • 特定技能所属機関の概要書
  • 登記事項証明書(法人) / 住民票の写し(個人)
  • 役員の住民票の写し(法人の場合)
  • 決算文章(損益計算書及び貸借対照表)の写し
  • 労働保険に関する資料
  • 社会保険に関する資料
  • 納税に関する資料
  • 特定技能雇用契約書及び雇用条件書の写し
  • 特定技能雇用契約書に関する重要事項説明書
  • 特定技能外国人のの報酬額が日本人の報酬と同等以上であることの説明文書
  • 入国前に仲介業者等に支払った費用等を証明する文書
  • 技能試験に係る合格証明書/技能検定の実技試験合格証明書等
  • 日本語能力試験に係る合格証明書/技能検定の実技試験合格証明書等
  • 特定技能外国人の健康診断書
  • 支援計画書
  • 支援委託契約書(登録支援機関に委託する場合)
  • 支援担当者の履歴書、就任承諾書、支援業務に係る誓約書の写し

申請する際の注意点

上記はあくまでも最低限の提出書類になりますので、状況に応じて必要な書類を添付していきましょう。また、課税証明書などの日本で発行される証明書は、発行日から3ヶ月以内のものでなくてはなりません。提出書類の中に外国語のものは訳文を添付する必要があります。

ただし、英語の場合は訳文を添付する必要はありません。

また、試験に受かったからといって必ず取得できる在留資格ではありません。不許可になる可能性もあるので専門家に相談しましょう。

弊所に依頼するメリット

弊所は行政書士事務所になり申請取次の行政書士が在籍しております。依頼することで入国管理局への出頭が免除されます。

  • 忙しくて時間がない方
  • 本業に専念されたい方
  • 手続きがよく分からない方
  • 不許可になってしまった方

専門的な知識を持っている行政書士に依頼することにより許可を高確率で取ることが出来、書類作成などの時間を大幅に短縮することが出来ます。

弊所に依頼する流れ

  1. 問い合わせ・ご相談
    まず、お電話又はメールにて状況の相談(初回無料)をして下さい。
  2. 見積もり
    ホームページ上に案内しておりますが、詳しい状況をヒアリングし正式な見積もりを出させていだきます。
  3. 契約
    内容に納得頂けましたらご契約となります。
    見積書以上の請求金額になることはありません。
  4. ヒアリング
    契約後にもヒアリングを何度も行うことがあります。お客様にとっては煩わしい事かもしれませんが、懸念点を洗い出し一つずつ潰すことにより許可を取ることができます。決して嘘を言わないようお願いします。
  5. 必要書類の案内
    お客様のケースに合わせて必要書類の提案を致します。
  6. 書類の収集及び作成
    弊所で申請書や理由書の作成を行います。推薦状なども必要に応じて弊所で作成します。
  7. 署名の対応
    書類作成などが完成しましたら署名をお願い致します。
    郵送や来所頂き署名する際にパスポート及び在留カードの原本をお預かりします。
  8. 入国管理局へ申請
    弊所の行政書士が入国管理局へ申請します。
  9. 許可証の受け取り
    無事に在留資格の許可が降りましたら弊所にて受け取りに行きます。
  10. 業務完了
    以上により全ての業務が完了となります。